熊本のTNRで猫の捕獲に密着「野良猫不妊手術キャンペーン」【Box竜之介】

2017年2月22日~28日の一週間の期間で、地域に愛される猫ちゃんが、また新たに1,300頭誕生しました。

熊本にある竜之介動物病院でおこなわれたTNR活動のお話です。

その中で今回、猫の捕獲現場を密着取材させていただきましたので、体験レポートとしてご紹介します。

TNR活動とは

最近、TNRという言葉を少しずついろんなところで耳にするようになりました。

皆さんの中にも、TNRという言葉を聞いたことがあるという方、そしてだいたいの意味も知っているという方もたくさんいらっしゃると思います。

でもまだ、この言葉の認知度は低く、さらに知る機会が少ないという現状があります。正直なところ、私も猫と暮らす前までは、聞いたことがありませんでした。
 

TNRとは

Trap:トラップ(捕獲器で野良猫を捕獲すること)
Neuter:ニューター(不妊手術のこと)
Return:リターン(元の生活場所に戻してやること)

これらの頭文字をとってTNR活動といわれています。

簡単にいうと、「猫を一時的に保護し、不妊手術を施し、元の場所に戻す」ことです。

猫の繁殖率を減らすことで、野良猫の数を抑制することができます。

Box竜之介(竜之介動物病院)で2月と11月の年に2回おこなっている「野良猫不妊手術キャンペーン」は、このTNR活動の一環です。

野良猫の不妊手術キャンペーン03
出典:BoxRyunosuke

では、なぜTNR活動が必要なのでしょうか?
 

不妊手術は可哀想?

生後6ヶ月で最初の発情期を迎える猫は、妊娠をすると1度の出産で4~6匹の子猫を産みます。

その妊娠期間はわずか2ヶ月。年に2~3回出産するので、その数はあっという間に膨れ上がります。

不妊手術をしない限り、野良猫はどんどん増え続けます。

増え過ぎた野良猫たちは、糞尿問題などの近隣トラブルや地域問題に発展してしまうこともあります。

昨年、環境省から公表された統計によると、平成27年度に保健所に引き取られた猫の数は90,075匹でした。

うち、所有者不明の猫は76,014匹。つまり、野良猫や迷子猫だと考えられます。

そして、引き取り数の合計90,075匹のうち、殺処分された猫は67,091匹。

さらにそのうちの7割近くの44,068匹は、まだ離乳もしていない子猫なのです。
 

生まれてくる数を抑制することで、不幸な猫を減らせると思いませんか?

そんな活動のひとつがTNRです。

野良猫不妊手術キャンペーンとは

熊本にある竜之介動物病院でおこなわれている「野良猫不妊手術キャンペーン」は、TNRのNの部分、【Neuter/ニューター】(不妊手術)にあたります。

キャンペーンの期間内に野良猫の不妊手術を無料で受け付けているというものです。

boxryunosuketnr07

詳しくは、前回の「野良猫不妊手術キャンペーン」の様子を体験レポートしていますので、そちらも是非ご覧ください↓↓

野良猫の捕獲に密着!

今回は、TNRのTの部分、【Trap/トラップ】(野良猫の捕獲)の現場に密着しました。

野良猫の捕獲現場を取材させてくださったのは、熊本在住のHさん。

突然の取材の申し出にも関わらず、快く引き受けてくださったHさんには、心から感謝申し上げます。
 

Hさんは、昨年の9月頃から野良猫が自宅に来るようになったため、今回の「野良猫不妊手術キャンペーン」に参加しようと思われたそうです。

TNR活動 野良猫

こちらがHさんのお宅に顔を出すという野良猫ちゃん達4匹。以前撮影したという写真をいただいたのですが、あまりにも堂々とお昼寝していてビックリです。

しかしこれでも、人が近づくと逃げてしまうそうです。

TNR活動 捕獲器

そこで気になるのが猫の捕獲方法だと思いますが、「野良猫不妊手術キャンペーン」では、野良猫を捕獲するための捕獲器というものを貸し出しています。

仕組みは簡単で、捕獲器の奥に餌を吊るし、猫が餌に触れると扉が閉まるようになっています。

1.捕獲器を設置

TNR活動 猫の捕獲01

さっそく、Hさん宅のお庭に捕獲器を設置します。

設置場所は猫の目につきやすい場所が良いと思いますが、猫が普段から出入りしている場合は猫がよく座っているお気に入りの場所などでも良さそうです。

2.捕獲器を定期的にチェック

TNR活動 猫の捕獲02

捕獲器を設置したあとは、猫が来るのを待ちながら、定期的にチェックします。

今回は運良くすぐに姿を現してくれましたが、なかなか捕獲器には入ろうとしません。

TNR活動 猫の捕獲03

餌を狙っている最中の猫と目が合ってしまい、逃げられてしまうこともしばしば。

やはり捕獲器を設置したあとは、その場所から離れた方が良さそうです。

何度か逃げられてしまったので、捕獲器の場所を設置し直し、後ろ髪を引かれる思いで庭を後にしました。

3.猫の捕獲へ

TNR活動 猫の捕獲04

設置場所を離れること小一時間。

庭を覗いてみると、猫が捕獲器の中に入っていました!!

予想していた以上のスピード捕獲に思わず拍子抜けしてしまいました。

しかしこれには理由がありました。

TNR活動 野良猫02

猫を捕獲するコツ

今回の野良猫不妊手術キャンペーンに参加しようと考えていたHさんは、捕獲する数日前から猫用の缶詰めを野良猫に与えていたそうです。

実はこれは野良猫を捕獲する際に有効な方法で、数日前から猫に餌を与えることによって、野良猫が餌を目的にその周辺に留まるようになり、捕獲率も上がるといいます。

4.捕獲した猫を病院へ

TNR活動 猫の捕獲05

猫に少しでも落ち着いてもらえるように、捕獲器に布を被せて病院に連れていきます。猫は、暗い場所の方が落ち着くことができるそうです。

野良猫不妊手術キャンペーンの流れ

ここからは、竜之介動物病院でおこなわれている「野良猫不妊手術キャンペーン」の出番です。

TNR活動01

捕獲した野良猫の状態や体調を、1頭1頭チェックしながら預かります。
 

TNR活動02

全国からボランティアで集まっている先生たちによって不妊手術がおこなわれます。

今回は、獣医師の先生の息子さんが見学に来ていました。熱心な眼差しにこちらまでピリリとさせられました。
 

TNR活動07

手術後は、回復室で猫の様子を確認するとともに、体重測定や写真撮影がおこなわれます。これは「ねこでる」としてのデータ化の一環です。

nekoderu
出典:ねこでる

「ねこでる」とは、TNR活動の促進のために開発されたSNSサービスで、地域の野良猫を投稿することによって野良猫の実態数を把握できるようになるなど、今後のTNR活動につながる効果が期待されています。

 

TNR活動04

さいごに、猫を連れて来た方へ猫のリターンの方法を説明して猫をお返しします。
 

「野良猫不妊手術キャンペーン」の流れについては、こちらの記事で詳しく体験レポートしています↓↓

TNR活動に参加したきっかけ

今回、取材に応じてくださったHさんに、TNR活動に参加したきっかけをお尋ねしました。

すると、Hさんは以前、竜之介動物病院に通っていたのだと話してくれました。

それは、昨年の2016年5月のことです。

リッキーちゃん01

熊本地震のおよそ1ヶ月後に、Hさんの愛犬リッキーちゃんの心不全が発覚しました。

掲載している写真は、リッキーちゃんが竜之介動物病院に入院していた時の実際の写真をお借りしたものです。

リッキーちゃん02
Hさんの足元で気持ちよさそうに寛ぐリッキーちゃん

その後、入退院を繰り返しながらも、翌月の6月頭にリッキーちゃんは、Hさん達に見守られながら永い眠りにつきました。

リッキーちゃん03
熊本地震で避難中のHさんとリッキーちゃん

「覚悟はしていたけど、できることならもう少し一緒に居たかった」と話すHさん。

ちょっと臆病だけど、人が大好きだったというリッキーちゃん。

そんなリッキーちゃんに会いに、今でもHさんのお宅にはお友だちが遊びに来られるそうです。

もしかしたら、人好きのリッキーちゃんが私のことも呼び寄せてくれたのかもしれない、そんな思いにさせられました。

TNR活動 野良猫03

リッキーちゃんが虹の橋を渡って、ほどなくして現れるようになった野良猫たち。

Hさんはどうしても放っておくことができなかったそうです。

飼うことはできないけど、どうにかして猫たちと共存していけたら……

リッキーちゃんとのつながりから「野良猫不妊手術キャンペーン」を知っていたHさんは、そんな思いでTNR活動に参加されたそうです。

さいごに

TNRのRの部分、【Return/リターン】(野良猫を元の生活場所に戻す)には同行できませんでしたが、Hさんから「猫たちは手術の翌朝、餌を食べて元気よくどこかに行きました」と聞いて安心しました。

「病院の手厚い看護に本当に感謝しています」との言葉もいただけて、TNR活動に参加させてもらっている者として、勝手に嬉しくなりました。

TNR活動06

しかし、「野良猫不妊手術キャンペーン」は病院の力だけでは成り立ちません。

野良猫を保護して病院に連れて来てくれて、そしてまた元の場所に戻してくれる方の協力があってこそのものであり、TとRの部分が不可欠です。

TNR活動05

「野良猫不妊手術キャンペーン」は、2月と11月の年に2回おこなわれています。

次回は11月の予定です。

猫のためのTNR活動のご参加とご協力を、どうかよろしくお願い致します。

そしてもし良ければ、猫の保護&リターンに同行取材させてください!

つたない文章に最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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